新たに開発されたrespiratory syncytial virus診断キットの性能比較

日本未発売のrespiratory syncytial virus (以下RSV) 迅速キットの1つであるImmunoCard STAT!TMRSV (Meridian Bioscience, Inc.米国, 以下ICSTAT!RSV) について, 鼻腔吸引液, 鼻腔洗浄液159検体を対象とし, 現在販売されているRSVテストパックおよびディレクティジェンEZRSVの各キットとの性能比較を行った. 3種類のキットにおいて1法でも結果が不一致となった31検体についてNestedRT-PCR法にて確認を行ったところ, 陽性10検体, 陰性21検体であった.Nested RT-PCRによる結果を基準...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 79; no. 4; pp. 276 - 283
Main Authors 岩田, 美智子, 佐野, 和三, 矢内, 充, 林, 国樹, 稲毛, 康司, 熊坂, 一成, 内山, 隆久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.04.2005
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.79.276

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Summary:日本未発売のrespiratory syncytial virus (以下RSV) 迅速キットの1つであるImmunoCard STAT!TMRSV (Meridian Bioscience, Inc.米国, 以下ICSTAT!RSV) について, 鼻腔吸引液, 鼻腔洗浄液159検体を対象とし, 現在販売されているRSVテストパックおよびディレクティジェンEZRSVの各キットとの性能比較を行った. 3種類のキットにおいて1法でも結果が不一致となった31検体についてNestedRT-PCR法にて確認を行ったところ, 陽性10検体, 陰性21検体であった.Nested RT-PCRによる結果を基準とした場合, ICSTAT!RSVの偽陰性は10検体中2検体 (2/10) で, 偽陽性率は21検体中2検体 (2/21), RSVテストパックの偽陰性, 偽陽性はそれぞれ0/10, 19/21, ディレクティジェンTMEZRSVの偽陰性, 偽陽性はそれぞれ10/10, 1/21であった. ICSTAT!RSVの最低検出感度は, A-2株では5.15×106TCID50/ml, Wash株では7.58×105TCID50/mlであった.日差再現性は良好で, 測定者の違いによる判定誤差, 赤血球による判定誤差なども認められず.迅速診断キットとして比較品と同等以上の性能であると考えられた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.79.276