男子大学スポーツ選手における内臓脂肪蓄積と食習慣に関する検討

これまでに中高年層を中心とした内臓脂肪面積の測定はメタボリックシンドロームの予防の観点から腹部X線CTを用いて行われてきているが,若年層における内臓脂肪面積の測定はX線被爆の問題からほとんど実施されておらず,腹囲測定を内臓脂肪面積の代替指標とせざるを得ない.しかしながら,腹囲測定では皮下脂肪の多寡を考慮できない.このような背景の中,腹部生体インピーダンス法を用いた内臓脂肪計が開発され,すべての年齢層における精確な内臓脂肪面積を測定できるようになった.その結果,腹囲ではメタボリックシンドロームの診断基準以下であっても,内臓脂肪面積が100 cm2を超えている,いわゆる隠れ肥満を検出できるようにな...

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Published in人間生活文化研究 Vol. 2021; no. 31; pp. 322 - 324
Main Authors 町田, 修一, 福島, しえり, 田中, 智美, 小治, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大妻女子大学人間生活文化研究所 01.01.2021
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ISSN2187-1930
DOI10.9748/hcs.2021.322

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Summary:これまでに中高年層を中心とした内臓脂肪面積の測定はメタボリックシンドロームの予防の観点から腹部X線CTを用いて行われてきているが,若年層における内臓脂肪面積の測定はX線被爆の問題からほとんど実施されておらず,腹囲測定を内臓脂肪面積の代替指標とせざるを得ない.しかしながら,腹囲測定では皮下脂肪の多寡を考慮できない.このような背景の中,腹部生体インピーダンス法を用いた内臓脂肪計が開発され,すべての年齢層における精確な内臓脂肪面積を測定できるようになった.その結果,腹囲ではメタボリックシンドロームの診断基準以下であっても,内臓脂肪面積が100 cm2を超えている,いわゆる隠れ肥満を検出できるようになった.一方,日常的に運動量が多いアスリートでの内臓脂肪の蓄積状況に関する研究報告は少ない.そこで本研究において,男子大学スポーツ選手を対象に内臓脂肪面積を測定したところ,運動習慣のない事務系男性労働者と比べて,非常に小さい値を示した.今後の解析では競技種目間で内臓脂肪蓄積量の差について検討を行うとともに,種々の食品成分の摂取量の違いが内臓脂肪の蓄積にどのような影響をもたらすかについて詳細に解析を行う予定である.
ISSN:2187-1930
DOI:10.9748/hcs.2021.322