地域の両親学級における妊婦に対する単発の睡眠教育が,睡眠,抑うつに与える効果
「問題と目的」妊婦は非妊婦に比べ睡眠障害が多く (鈴木他, 2003), 妊娠経過に伴い睡眠の満足度が低下すること, また, 妊娠末期においては妊婦の75%が睡眠障害を有することが報告されている (Neau, Texier, & Ingrand, 2009). これまで, 妊娠末期の睡眠時間が短いほど分娩所要時間が長く, 帝王切開率が高いこと (Lee & Gay, 2004), 睡眠の満足度が低いと不快症状の苦痛度が強いこと (植松・眞鍋・田中, 2014) が指摘されている. また, 不眠症状を有する妊婦は, 不安や抑うつが強く (Swanson, Pickett, Fly...
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Published in | Journal of Health Psychology Research Vol. 31; no. 1; pp. 61 - 68 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本健康心理学会
01.08.2018
日本健康心理学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2189-8790 2189-8804 |
DOI | 10.11560/jhpr.171130085 |
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Summary: | 「問題と目的」妊婦は非妊婦に比べ睡眠障害が多く (鈴木他, 2003), 妊娠経過に伴い睡眠の満足度が低下すること, また, 妊娠末期においては妊婦の75%が睡眠障害を有することが報告されている (Neau, Texier, & Ingrand, 2009). これまで, 妊娠末期の睡眠時間が短いほど分娩所要時間が長く, 帝王切開率が高いこと (Lee & Gay, 2004), 睡眠の満足度が低いと不快症状の苦痛度が強いこと (植松・眞鍋・田中, 2014) が指摘されている. また, 不眠症状を有する妊婦は, 不安や抑うつが強く (Swanson, Pickett, Flynn, & Armitage, 2011), 末期の不眠症は産後うつ症状の予測因子になることも指摘されている (Marques et al., 2011). さらに, 末期の妊婦の生体リズムは, 出生した児のリズム発達と関連することが示唆されている (島田・荒木・春名・中山, 1999). このように, 妊婦の睡眠問題は妊婦自身だけでなく, 胎児への影響も指摘されており, 妊婦の睡眠を保持, 増進することは重要である. |
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ISSN: | 2189-8790 2189-8804 |
DOI: | 10.11560/jhpr.171130085 |