産婦人科術後感染予防についてのアンケート報告

産婦人科医を対象としたアンケート調査 (回答率: 67.5%) の結果, 術後感染予防については以下のようなコンセンサスが得られていると考えられた. すなわち, 感染予防薬の選択基準は,(1) 手術時に汚染すると予想される細菌 (ブドウ球菌属, 大腸菌, Bacteroides fragilis group) に対して抗菌力を有する薬剤を選ぶ,(2) 汚染菌の発育阻止可能な濃度が目的部位で達成される薬剤を選ぶ,(3) 重篤な副作用が考えられる薬剤であってはならない,(4) 術後感染症の治療薬として新しい薬剤は残しておく, などであった. また, 術後感染が疑われる場合には, 早期治療として予防...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 75; no. 5; pp. 390 - 397
Main Authors 岩井, 重富, 藤井, 修照, 保田, 仁介, 玉舎, 輝彦, 横山, 隆, 真下, 啓二, 品川, 長夫, 竹山, 廣光, 野口, 昌良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.05.2001
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.390

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Summary:産婦人科医を対象としたアンケート調査 (回答率: 67.5%) の結果, 術後感染予防については以下のようなコンセンサスが得られていると考えられた. すなわち, 感染予防薬の選択基準は,(1) 手術時に汚染すると予想される細菌 (ブドウ球菌属, 大腸菌, Bacteroides fragilis group) に対して抗菌力を有する薬剤を選ぶ,(2) 汚染菌の発育阻止可能な濃度が目的部位で達成される薬剤を選ぶ,(3) 重篤な副作用が考えられる薬剤であってはならない,(4) 術後感染症の治療薬として新しい薬剤は残しておく, などであった. また, 術後感染が疑われる場合には, 早期治療として予防薬を中止し, 予防薬とは交差耐性を持たない薬剤に変更するのが原則であった. 使用される予防薬は, 無菌手術ではcefazolin (CEZ) の頻度が最も高く, 継いでcefotiam (CTM), cefmetazde (CMZ) が, 汚染の程度が軽度と考えられる準無菌手術ではCTM, CEZ, CMZの順で, 汚染が高度と考えられる準無菌手術ではflomoxef (FMOX), CTMやその他のセフェム薬の順で選ばれた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.75.390