がんセンターにおけるtoxin A陰性toxin B陽性Clostridium difficileによる下痢症の院内集団発生
2001年2月から7月までに千葉県がんセンターの東4 (造血器/呼吸器腫瘍) 病棟でClostridium difficile関連下痢症が15症例と頻繁に認められた. 15症例中10症例が悪性リンパ種症例であり, 12例に抗菌薬, 11例に抗癌剤の使用が認められた. 15症例中5症例からtoxin A陽性toxin B陽性 (A+B+) C.d ifficile株が, 残る10症例からtoxin A陰性toxin B陽性 (A-B+) C. difficile株が分離された. Toxin A-B+10株は, PCR ribotypingにより10株とも同一のバンドパターンを示し, パルスフィー...
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| Published in | 感染症学雑誌 Vol. 78; no. 4; pp. 312 - 319 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.04.2004
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0387-5911 1884-569X |
| DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.78.312 |
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| Summary: | 2001年2月から7月までに千葉県がんセンターの東4 (造血器/呼吸器腫瘍) 病棟でClostridium difficile関連下痢症が15症例と頻繁に認められた. 15症例中10症例が悪性リンパ種症例であり, 12例に抗菌薬, 11例に抗癌剤の使用が認められた. 15症例中5症例からtoxin A陽性toxin B陽性 (A+B+) C.d ifficile株が, 残る10症例からtoxin A陰性toxin B陽性 (A-B+) C. difficile株が分離された. Toxin A-B+10株は, PCR ribotypingにより10株とも同一のバンドパターンを示し, パルスフィールドゲル電気泳動によるタイピングによって同じmajor type (2サブタイプ) にタイプされ, 本病棟においてtoxinA-B+C. difficileによる下痢症の院内集団発生が起きたと考えられた. 糞便検体中のtoxin Aは15症例中14症例において検討されたが, toxin A+B+株が分離された2症例でtoxin A陽性であり, toxin AB+株が分離された10症例を含む12症例でtoxin A陰性であった. 糞便中のtoxin A検出だけでなく, 菌の培養を行ったことにより, 院内集団発生を認識することが可能であった. |
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| ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
| DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.78.312 |