塩酸傷害ラット気管上皮に対するグラム陰性桿菌付着能の検討

ラットの気管を用い, 正常粘膜と傷害粘膜に対するグラム陰性桿菌の付着能を検討した. すなわち, 0.1N塩酸を10分間接触させて傷害粘膜を作製し, P. aeruginosa, K. pneumoniae, E. coliの3種のグラム陰性桿菌をin vitroで付着させ走査型電顕で観察した. 傷害群は正常群に比し3菌種とも付着能が増加したが, その増加は菌種間に差がみられP. aeruginosaは特に高い付着能を示した. 3菌種とも多数のpiliを有していることから, 菌種間での付着能の差はそれぞれのpiliに対する上皮細胞側の特異的なレセプターの数に差がある可能性が示唆された....

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Published in感染症学雑誌 Vol. 62; no. 2; pp. 130 - 134
Main Authors 多代, 友紀, 黒木, 秀明, 松浦, 徹, 伊藤, 剛, 林, 嘉光, 加藤, 政仁, 武内, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.02.1988
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.62.130

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Summary:ラットの気管を用い, 正常粘膜と傷害粘膜に対するグラム陰性桿菌の付着能を検討した. すなわち, 0.1N塩酸を10分間接触させて傷害粘膜を作製し, P. aeruginosa, K. pneumoniae, E. coliの3種のグラム陰性桿菌をin vitroで付着させ走査型電顕で観察した. 傷害群は正常群に比し3菌種とも付着能が増加したが, その増加は菌種間に差がみられP. aeruginosaは特に高い付着能を示した. 3菌種とも多数のpiliを有していることから, 菌種間での付着能の差はそれぞれのpiliに対する上皮細胞側の特異的なレセプターの数に差がある可能性が示唆された.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.62.130