Campylobacter腸炎患者血清と反応するCampylobacter jejuni抗原の分離精製

Campylobacter腸炎患者血清と反応するCampylbacter jejuni (以下, C. jejuniと略す) 由来抗原 (以下, C. j抗原と略す) の精製を試みた.C.lejuni腸炎患者から分離した1株 (Hisaichi株) を血液寒天平板で培養して得た菌体をHomogenizer (ULTRA-TURRAX) で処理して菌体表面の可溶性抗原を抽出し, 粗材料とした. この粗材料をSepharose4Bカラム (2×90cm) およびDEAE-SephadexA-25カラムを用いてCj抗原を分離精製した.なおC.j抗原の検出は既報のELISA法に従った. このようにして...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 58; no. 8; pp. 733 - 738
Main Authors 牧, 淳, 有田, 耕司, 三輪谷, 俊夫, 水野, 新一, 本田, 武司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.08.1984
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.58.733

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Summary:Campylobacter腸炎患者血清と反応するCampylbacter jejuni (以下, C. jejuniと略す) 由来抗原 (以下, C. j抗原と略す) の精製を試みた.C.lejuni腸炎患者から分離した1株 (Hisaichi株) を血液寒天平板で培養して得た菌体をHomogenizer (ULTRA-TURRAX) で処理して菌体表面の可溶性抗原を抽出し, 粗材料とした. この粗材料をSepharose4Bカラム (2×90cm) およびDEAE-SephadexA-25カラムを用いてCj抗原を分離精製した.なおC.j抗原の検出は既報のELISA法に従った. このようにして精製したCj抗原はSDSpolyacrylamidegel電気泳動でほぼ一本のバンドを示した.この精製抗原を用いてCampylobacter腸炎患者血清 (36検体) を調べると約79%の血清が陽性であった. 非腸炎対照児血清 (9検体) はすべてC. j抗原に対する抗体は陰性であった. 患者血清中に存在する抗体をELISA法で検出する場合に用いる抗原は, 非特異反応を除去するためにも, 精製したものを用いるべきである. 今回我々がC. jejuniから抽出分離精製した抗原はC. jejuni腸炎の診断に益するのみならずC. jejuni感染の動態の解析にも役立つものと考える.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.58.733