工数見積もりにおける欠損値補完手法を用いたデータ修整方法の提案

ソフトウェア開発において,プロジェクトの計画立案,管理支援を目的として機械学習を用いた開発工数の見積もりが行われている.見積もりに用いられるプロジェクトデータにはしばしば見積もりに悪影響をもたらす値が含まれている.このような値が含まれるデータを用いた場合,高精度での工数の見積もりを期待することは難しい.しかし,このような値を含むプロジェクトを除外すると,今度はデータセット自体のサイズが小さくなり,やはり高精度での見積もりに支障をもたらす可能性がある.そこで本研究では欠損値補完手法を利用することで,データセットのサイズを維持したままでの質の向上を目指す.具体的には,データセットに人為的に欠損を作...

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Published inProceedings of the JSSST Workshop on Foundation of Software Engineering Vol. 30; pp. 93 - 98
Main Authors 戸田, 航史, 角田, 雅照
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ソフトウェア科学会 ソフトウェア工学の基礎研究会 09.11.2023
Special Interest Group on Foundation of Software Engineering in Japan Society for Software Science and Technology
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ISSN2436-634X
DOI10.11309/fose.30.0_93

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Summary:ソフトウェア開発において,プロジェクトの計画立案,管理支援を目的として機械学習を用いた開発工数の見積もりが行われている.見積もりに用いられるプロジェクトデータにはしばしば見積もりに悪影響をもたらす値が含まれている.このような値が含まれるデータを用いた場合,高精度での工数の見積もりを期待することは難しい.しかし,このような値を含むプロジェクトを除外すると,今度はデータセット自体のサイズが小さくなり,やはり高精度での見積もりに支障をもたらす可能性がある.そこで本研究では欠損値補完手法を利用することで,データセットのサイズを維持したままでの質の向上を目指す.具体的には,データセットに人為的に欠損を作成し,その欠損に補完手法を適用することで補完値を得る.補完値と実測値を比較し,その乖離が大きい場合にはその値が見積もりに悪影響をもたらす値であると見,その値を補完値で置換することで,データセットのサイズを維持したまま,品質を向上させる手法を提案する.実験の結果,提案手法の適用によって見積もり精度が向上することが確認された.
ISSN:2436-634X
DOI:10.11309/fose.30.0_93