若手看護師の指示の出し受けスキル尺度における信頼性と妥当性

「問題と目的」健康という観点で考えた場合, 医療安全は看護職にとって二つの面で重要な主題といえる. 第一に, 看護師が医療の提供を通じて患者の健康を高めるには, 医療行為を確実に実行し, 医療安全が確保される必要がある. 第二に, 安全の確保と事故への不安は, 看護師側にとって心理的負担となっており, 新人看護師では, これは早期離職の要因の一つであるとも報告されている(日本看護協会中央ナースセンター, 2005). 中村・村田・高橋(2006)の調査によれば, 職位別に見たストレス調査では, 新人看護師のストレスは最も高く, その要因として看護実践能力の不安・職場内での相談のしにくさがあると...

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Published inJournal of Health Psychology Research Vol. 32; no. 1; pp. 21 - 29
Main Authors 田中, 共子, 畠中, 香織, 兵藤, 好美, 山本, 恵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本健康心理学会 01.08.2019
日本健康心理学会
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ISSN2189-8790
2189-8804
DOI10.11560/jhpr.180807110

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Summary:「問題と目的」健康という観点で考えた場合, 医療安全は看護職にとって二つの面で重要な主題といえる. 第一に, 看護師が医療の提供を通じて患者の健康を高めるには, 医療行為を確実に実行し, 医療安全が確保される必要がある. 第二に, 安全の確保と事故への不安は, 看護師側にとって心理的負担となっており, 新人看護師では, これは早期離職の要因の一つであるとも報告されている(日本看護協会中央ナースセンター, 2005). 中村・村田・高橋(2006)の調査によれば, 職位別に見たストレス調査では, 新人看護師のストレスは最も高く, その要因として看護実践能力の不安・職場内での相談のしにくさがあるという. 実際に経験1年未満の看護職の知識や経験不足により生じた医療事故が報告されている(日本医療機能評価機構, 2014). そこでは, 経験1年未満の看護師の医療事故・ヒヤリハットの特徴として, 「思い込みによる安易な実施」, 「危険性の認識不足」, 「報告や相談ができない(しない)」などがあり, 分からないこと, 疑問に思うことを都合よく解釈し, 確認するよりも行動に移してしまうことがあると分析されている(日本医療機能評価機構, 2014).
ISSN:2189-8790
2189-8804
DOI:10.11560/jhpr.180807110