銅-亜鉛還元コイルを用いたCFA 法による硝酸分析法の開発

水中の窒素成分の分析法の一つに銅-カドミウム還元ナフチルエチレンジアミン吸光光度法があるが,還元剤に有害物質であるカドミウムを使用する.本研究では,連続流れ分析(CFA)を使用して,銅-カドミウム還元法に代わり亜鉛を用いた銅-亜鉛還元法により硝酸及び亜硝酸をアンモニアまで還元し,硝酸態窒素を含む窒素成分を測定する方法を開発した.還元により生成したアンモニアはサリチル酸を用いたインドフェノール青法で測定した.銅-亜鉛還元で使用する試薬などがインドフェノール青の発色を阻害するため,PTFE 製メンブレンフィルターを用いたアンモニアガス透過法によりアンモニアを阻害物質から分離することで,発色への影響...

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Published in環境技術 Vol. 53; no. 3; pp. 157 - 164
Main Authors 高橋, のどか, 奥西, 将之, 神野, 良誠, 田熊, 保彦, 前田, 広人, 森久保, 諭, 熊澤, 頼博, 榎本, 大佑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 環境技術学会 20.05.2024
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ISSN0388-9459
1882-8590
DOI10.5956/jriet.53.3_157

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Summary:水中の窒素成分の分析法の一つに銅-カドミウム還元ナフチルエチレンジアミン吸光光度法があるが,還元剤に有害物質であるカドミウムを使用する.本研究では,連続流れ分析(CFA)を使用して,銅-カドミウム還元法に代わり亜鉛を用いた銅-亜鉛還元法により硝酸及び亜硝酸をアンモニアまで還元し,硝酸態窒素を含む窒素成分を測定する方法を開発した.還元により生成したアンモニアはサリチル酸を用いたインドフェノール青法で測定した.銅-亜鉛還元で使用する試薬などがインドフェノール青の発色を阻害するため,PTFE 製メンブレンフィルターを用いたアンモニアガス透過法によりアンモニアを阻害物質から分離することで,発色への影響を低減した.開発法を従来法と比較したところ,従来法と同等の装置検出下限及び方法定量下限を得ることができた.また,海水,環境水,河川水及び排水などの実試料の測定結果を比較したところ,良好な相関を得ることができた.
ISSN:0388-9459
1882-8590
DOI:10.5956/jriet.53.3_157