岡山地方における健康成人と呼吸器疾患入院患者血清のLegionella pneumophilaに対する抗体価測定に関する研究

岡山地方におけるLegionnaires′diseaseの疫学的調査を目的として, 岡山県在住の健康成人432例と, 呼吸器内科入院患者160例の血清について間接蛍光抗体法を用いて, Legionella pneumophila serogroups I-IVに対する抗体価測定を行なった. 健康成人432例の血清抗体価は, 314例 (72.7%) が8倍以下で, 64倍が11例 (2.5%), 128倍が3例 (0.7%) であり, 年齢, 性別による頻度の差は認められなかった. 呼吸器疾患入院患者160例の血清の内, 64倍以上の抗体価を示したものは18例 (11.3%) に認められ, 健...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 59; no. 4; pp. 373 - 380
Main Authors 川西, 正泰, 加藤, 収, 松島, 敏春, 川根, 博司, 二木, 芳人, 副島, 林造, 中浜, 力, 渡辺, 正俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.04.1985
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.373

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Summary:岡山地方におけるLegionnaires′diseaseの疫学的調査を目的として, 岡山県在住の健康成人432例と, 呼吸器内科入院患者160例の血清について間接蛍光抗体法を用いて, Legionella pneumophila serogroups I-IVに対する抗体価測定を行なった. 健康成人432例の血清抗体価は, 314例 (72.7%) が8倍以下で, 64倍が11例 (2.5%), 128倍が3例 (0.7%) であり, 年齢, 性別による頻度の差は認められなかった. 呼吸器疾患入院患者160例の血清の内, 64倍以上の抗体価を示したものは18例 (11.3%) に認められ, 健康成人の3.2%に比較して有意に高い成績であった (p<0.0001).さらに, 256倍から1,024倍の高い抗体価を示した症例が5例 (3.1%) 認められた. 64倍以上の抗体価を示した18例中16例は呼吸器感染症例で, 内9例は基礎疾患に慢性閉塞性肺疾患や肺癌を有していた. 以上の結果より, 岡山地方においてもL.pneumoPhilaによる感染症が存在しているものと考えられた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.373