腸重積が併存した横行結腸間膜窩ヘルニアの1例

症例は40歳台,女性.右上腹部痛と頻回の嘔吐を主訴に当院救急外来へ搬送された.腹部造影CTで,横行結腸間膜ヘルニアならびに十二指腸水平脚における逆行性腸重積の所見を認めた.ブチルスコポラミン投与で腹痛は著明に改善し,再度,腹部造影CTを施行したところ,腸重積は改善していた.しかし,横行結腸間膜ヘルニアは残存していたため,待機的手術を行った.開腹すると,Treitz靱帯近傍にヘルニア門が確認されたが,術前のCTでみられた陥入小腸はみられず,開腹の時点で既に腹腔内ヘルニアは解除していた.ヘルニア嚢内を確認し,ヘルニア門を縫縮して手術を終えた.本邦では横行結腸間膜ヘルニアに腸重積を合併した症例の報告...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 10; pp. 2562 - 2565
Main Authors 渡邊, 透, 高橋, 裕季, 栃本, 昌孝, 大島, 正寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.76.2562

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Summary:症例は40歳台,女性.右上腹部痛と頻回の嘔吐を主訴に当院救急外来へ搬送された.腹部造影CTで,横行結腸間膜ヘルニアならびに十二指腸水平脚における逆行性腸重積の所見を認めた.ブチルスコポラミン投与で腹痛は著明に改善し,再度,腹部造影CTを施行したところ,腸重積は改善していた.しかし,横行結腸間膜ヘルニアは残存していたため,待機的手術を行った.開腹すると,Treitz靱帯近傍にヘルニア門が確認されたが,術前のCTでみられた陥入小腸はみられず,開腹の時点で既に腹腔内ヘルニアは解除していた.ヘルニア嚢内を確認し,ヘルニア門を縫縮して手術を終えた.本邦では横行結腸間膜ヘルニアに腸重積を合併した症例の報告は極めて稀であり,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.2562