乳房温存術時断端擦過細胞診偽陽性症例の検討
乳房温存術時の術中断端細胞診の有用性の報告は多いが,偽陽性の存在も知られる.対象を2007年1月より2013年6月に乳房温存療法を行った乳癌症例271例とし当院の偽陽性症例の検討を行った.断端細胞診悪性17例(7.0%)中7例(2.9%)は最終病理診断断端陰性であり細胞診偽陽性と考えられた.その特性は平均年齢60.3歳(全温存症例:55.8歳),平均超音波腫瘍径16.8mm(同:15.3mm),画像上乳管内進展の疑いあり/:3例/4例,組織型 非浸潤性乳管癌2例・乳頭腺管癌2例・充実腺管癌2例・硬癌1例,核異型度Grade1/2/3:1例/2例/4例.全例5mm以上のmarginが確保されてお...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 10; pp. 2687 - 2692 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2014
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.75.2687 |
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| Summary: | 乳房温存術時の術中断端細胞診の有用性の報告は多いが,偽陽性の存在も知られる.対象を2007年1月より2013年6月に乳房温存療法を行った乳癌症例271例とし当院の偽陽性症例の検討を行った.断端細胞診悪性17例(7.0%)中7例(2.9%)は最終病理診断断端陰性であり細胞診偽陽性と考えられた.その特性は平均年齢60.3歳(全温存症例:55.8歳),平均超音波腫瘍径16.8mm(同:15.3mm),画像上乳管内進展の疑いあり/:3例/4例,組織型 非浸潤性乳管癌2例・乳頭腺管癌2例・充実腺管癌2例・硬癌1例,核異型度Grade1/2/3:1例/2例/4例.全例5mm以上のmarginが確保されており,断端付近に悪性と診断され得る良性増殖性病変もなかった.同期間の穿刺吸引細胞診の偽陽性率は0.07%であり異なった特性が示唆された.断端細胞診を行う際はその特性の把握が肝要と思われる. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.75.2687 |