背景色と文字色の組み合わせに対する視認性の構造 最尤非対称多次元尺度構成法による分析

「1. 問題」Webデザインや広告物において, 背景と文字の配色は視認性を高める上で重要な要素の一つである. Webデザインの分野では, World Wide Web Consortium(以下, W3Cと略す)(2000)が視認性の測度として, 背景色と文字色の"明度差"と"色差"の測定方式の試案を示している. それによれば, 色iのRGBの値をそれぞれ, Ri, Gi, Biとすると, 色iの明度は(1)により得られる. 二色の明度差はそれらの差の絶対値で表され, それが125以上あればよいとされる. (1)式は, RGB表色系からYUV表色系の輝度...

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Published in行動計量学 Vol. 35; no. 2; pp. 193 - 201
Main Author 佐部利, 真吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動計量学会 2008
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ISSN0385-5481
1880-4705
DOI10.2333/jbhmk.35.193

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Summary:「1. 問題」Webデザインや広告物において, 背景と文字の配色は視認性を高める上で重要な要素の一つである. Webデザインの分野では, World Wide Web Consortium(以下, W3Cと略す)(2000)が視認性の測度として, 背景色と文字色の"明度差"と"色差"の測定方式の試案を示している. それによれば, 色iのRGBの値をそれぞれ, Ri, Gi, Biとすると, 色iの明度は(1)により得られる. 二色の明度差はそれらの差の絶対値で表され, それが125以上あればよいとされる. (1)式は, RGB表色系からYUV表色系の輝度信号を求める変換式に基づいている. ここでYUV表色系とは, 色を輝度信号(Y), 輝度と青成分との差分信号(U), 輝度と赤成分との差分信号(V)で表現する方法である. このYUVは, カラーテレビの映像信号に用いられる他, ヒトの目が色の変化より明るさの変化に敏感であるという視覚特性を利用して, 画像データをYUVに変換した後にU信号, V信号の情報を間引くことで, 見た目の画質の劣化を抑えながらデータ量を圧縮するという技術等にも用いられている.
ISSN:0385-5481
1880-4705
DOI:10.2333/jbhmk.35.193