手術治療を行った多発性対称性脂肪腫症例

多発性対称性脂肪腫症は,頸部,肩,上腕や体幹部に,多発性,対称性に被膜を有さない脂肪組織の沈着を来す疾患で,日本での報告は極めて稀である。今回われわれは,両側顎下部からおとがい下部にかけて発生した多発性対称性脂肪腫症に対し,整容目的で切除術を行い,患者の高い満足が得られた症例を経験したので報告する。症例は63歳男性。4年前からの頸部腫脹で受診された。緩徐な経過で増大し,シャツの着用が困難となったため,整容目的で手術治療を行う方針となった。皮膚切開は横切開とし,広頸筋の浅層と深層に分けて脂肪組織の郭清を行った。術後6か月時のMRIにて再発なく経過しており,高い整容性が維持されている。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 3; pp. 395 - 399
Main Authors 山田, 雅人, 小出, 暢章, 伊藤, 卓, 渡邊, 浩基, 朝蔭, 孝宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2017
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.26.395

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Summary:多発性対称性脂肪腫症は,頸部,肩,上腕や体幹部に,多発性,対称性に被膜を有さない脂肪組織の沈着を来す疾患で,日本での報告は極めて稀である。今回われわれは,両側顎下部からおとがい下部にかけて発生した多発性対称性脂肪腫症に対し,整容目的で切除術を行い,患者の高い満足が得られた症例を経験したので報告する。症例は63歳男性。4年前からの頸部腫脹で受診された。緩徐な経過で増大し,シャツの着用が困難となったため,整容目的で手術治療を行う方針となった。皮膚切開は横切開とし,広頸筋の浅層と深層に分けて脂肪組織の郭清を行った。術後6か月時のMRIにて再発なく経過しており,高い整容性が維持されている。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.395