内視鏡的乳頭括約筋切開術により一旦消失した後再発した石灰乳胆汁の1例

症例は54歳,女性.上腹部痛と尿の黄染を自覚し近医を受診した.肝機能障害を認めたため,精査加療目的で当院紹介受診となった.画像検査で総胆管内に流入した石灰乳胆汁による閉塞性黄疸と診断した.内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)を施行し,胆嚢および総胆管の石灰化像が消失し黄疸が改善した.その後,経過観察を行っていたが,10カ月後に胆嚢内に石灰化像が再発したため,腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った.胆嚢内部に認めたクリーム色のペースト状物質を結石分析すると炭酸カルシウム98%以上という結果であった.ESTにて胆嚢および総胆管の石灰化像が消失し,その後の胆嚢内に再発する石灰乳胆汁を経時的に観察できた貴重な症例と...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 3; pp. 751 - 756
Main Authors 加藤, 大祐, 佐々木, 隆光, 松岡, 信秀, 新屋, 智志, 山下, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.751

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Summary:症例は54歳,女性.上腹部痛と尿の黄染を自覚し近医を受診した.肝機能障害を認めたため,精査加療目的で当院紹介受診となった.画像検査で総胆管内に流入した石灰乳胆汁による閉塞性黄疸と診断した.内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)を施行し,胆嚢および総胆管の石灰化像が消失し黄疸が改善した.その後,経過観察を行っていたが,10カ月後に胆嚢内に石灰化像が再発したため,腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った.胆嚢内部に認めたクリーム色のペースト状物質を結石分析すると炭酸カルシウム98%以上という結果であった.ESTにて胆嚢および総胆管の石灰化像が消失し,その後の胆嚢内に再発する石灰乳胆汁を経時的に観察できた貴重な症例と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.751