FDG-PETの全身骨集積が外科切除後消失したG-CSF産生肺癌の1例

症例は68歳,男性.検診の胸部単純X線写真で右中肺野に腫瘤影を認め,当院紹介となった.初診時より38度台の発熱を認め,白血球19,000/μl,CRP 10.2mg/dlと上昇していた.胸部CTでは右肺上葉S2に径50mmの腫瘤影を認めた.精査中肺化膿症も考慮し抗菌薬を投与したが,発熱や炎症反応は改善しなかった.経気管支生検で非小細胞癌の診断となった.FDG-PETでは右肺上葉の腫瘤影に一致してSUVmax=15.0の高集積を認めるほか,体幹骨優位に全身骨にもびまん性に集積亢進を認めた.血清G-CSF値も157.0pg/mlに上昇していたため,G-CSF産生肺癌と診断し右肺上葉と壁側胸膜合併切...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 11; pp. 2422 - 2428
Main Authors 佐藤, 彰記, 東海林, 安人, 藤田, 美悧, 仙丸, 直人, 千葉, 龍平, 大高, 和人, 長谷, 龍之介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.2422

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Summary:症例は68歳,男性.検診の胸部単純X線写真で右中肺野に腫瘤影を認め,当院紹介となった.初診時より38度台の発熱を認め,白血球19,000/μl,CRP 10.2mg/dlと上昇していた.胸部CTでは右肺上葉S2に径50mmの腫瘤影を認めた.精査中肺化膿症も考慮し抗菌薬を投与したが,発熱や炎症反応は改善しなかった.経気管支生検で非小細胞癌の診断となった.FDG-PETでは右肺上葉の腫瘤影に一致してSUVmax=15.0の高集積を認めるほか,体幹骨優位に全身骨にもびまん性に集積亢進を認めた.血清G-CSF値も157.0pg/mlに上昇していたため,G-CSF産生肺癌と診断し右肺上葉と壁側胸膜合併切除を施行した.術後は順調に経過し,術後3日目より解熱し白血球数も正常化した.術後3カ月目に行ったFDG-PET検査では術前に認めた骨髄への集積は消失していた.本症例の経過を文献的考察も加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.2422