Compromised Hostでの肺結核の臨床的特徴についての検討

日本における結核は著しく減少したが, 基礎疾患を有する患者いわゆるcompromised hostでの合併頻度は未だ高いと報告されている。今回我々はこのcompromised hostで発生する肺結核の臨床的特徴を解明する目的で肺結核患者を対象に, 基磯疾患の有無別に胸部X-線所見, 臨床検査成績などを比較検討した. 本院で診断した肺結核症のうち基礎疾患を有するものは44例中24例と多かった. 受診動機としては基礎疾患が存在する症例では自覚症状での発見が大部分であった. 胸部X-線所見としてはnormal host群では空洞性病変は20例中3例にみられたが, compromised host群...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 67; no. 6; pp. 556 - 560
Main Authors 鈴木, 司郎, 町支, 素子, 田口, 修, 井端, 英憲, 山上, 知也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.06.1993
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.67.556

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Summary:日本における結核は著しく減少したが, 基礎疾患を有する患者いわゆるcompromised hostでの合併頻度は未だ高いと報告されている。今回我々はこのcompromised hostで発生する肺結核の臨床的特徴を解明する目的で肺結核患者を対象に, 基磯疾患の有無別に胸部X-線所見, 臨床検査成績などを比較検討した. 本院で診断した肺結核症のうち基礎疾患を有するものは44例中24例と多かった. 受診動機としては基礎疾患が存在する症例では自覚症状での発見が大部分であった. 胸部X-線所見としてはnormal host群では空洞性病変は20例中3例にみられたが, compromised host群では空洞性病変は24例中7例と多かった. 以上の結果から基礎疾患をもつ症例はハイリスク集団と考えられ, この様な症例での肺結核の早期発見のためにこれらの臨床的特徴を念頭においてあらゆる検査を行わなければならないと思われた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.67.556