同時性肝転移を伴ったSM S状結腸癌の1例

症例は69歳,男性.貧血精査のための大腸内視鏡検査にて,S状結腸に亜有茎性のSM深部浸潤を疑う隆起性病変を認め,生検で高分化型腺癌であった.胸腹部CTでは遠隔転移は認めず,腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した.術中,偶発的に肝S4表面に腫瘤を認め,術後の精査で転移性肝癌と診断し,6週間後に腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.最終的にcolon cancer,S,type0-I s,tub2,pT1b,簇出(Grade1),ly2,v0,PN0,pN2,pM1a(H1)(GradeB),Stage IV,pPM0,pDM0,pRM0,R0,CurBと診断した. 初回手術から13カ月後に肝S6に再発を...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 11; pp. 2474 - 2480
Main Authors 藤田, 敏忠, 山田, 武男, 浅野, 功治, 貝塚, 真知子, 小林, 義典, 濱口, 實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.2474

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Summary:症例は69歳,男性.貧血精査のための大腸内視鏡検査にて,S状結腸に亜有茎性のSM深部浸潤を疑う隆起性病変を認め,生検で高分化型腺癌であった.胸腹部CTでは遠隔転移は認めず,腹腔鏡補助下S状結腸切除術を施行した.術中,偶発的に肝S4表面に腫瘤を認め,術後の精査で転移性肝癌と診断し,6週間後に腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.最終的にcolon cancer,S,type0-I s,tub2,pT1b,簇出(Grade1),ly2,v0,PN0,pN2,pM1a(H1)(GradeB),Stage IV,pPM0,pDM0,pRM0,R0,CurBと診断した. 初回手術から13カ月後に肝S6に再発を認め,再肝切除を行った.23カ月後に多発肝肺転移,腹膜播種を認めたが,30カ月現在生存中である.過去に同時性肝転移を伴う早期大腸癌の報告は非常に稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.2474