腺扁平上皮癌と肉腫の混在した長期生存中の進行胆嚢癌肉腫の1例
症例は85歳,女性.数十年前より続く右下腹部痛を主訴に来院.腹部CT・MRCPで胆嚢内に腫瘍性病変を認め,進行胆嚢癌と診断した.術中所見で胆嚢は腫大し横行結腸への浸潤を認めたが,総胆管への浸潤はなく,胆嚢摘出術,結腸部分切除術および肝床切除術を施行した.病理組織学検査では,低分化腺癌および扁平上皮癌が混在した腺扁平上皮癌部分(免疫組織化学染色でepithelial membrane antigen (EMA)・keratin陽性)と異型の強い紡錘形細胞に一部骨化形成のある肉腫の混在した部分(vimentin陽性)が認められ,腺扁平上皮癌と肉腫が混在した胆嚢癌肉腫と診断された.7年経過した現在も...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 12; pp. 3047 - 3052 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2015
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.76.3047 |
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| Summary: | 症例は85歳,女性.数十年前より続く右下腹部痛を主訴に来院.腹部CT・MRCPで胆嚢内に腫瘍性病変を認め,進行胆嚢癌と診断した.術中所見で胆嚢は腫大し横行結腸への浸潤を認めたが,総胆管への浸潤はなく,胆嚢摘出術,結腸部分切除術および肝床切除術を施行した.病理組織学検査では,低分化腺癌および扁平上皮癌が混在した腺扁平上皮癌部分(免疫組織化学染色でepithelial membrane antigen (EMA)・keratin陽性)と異型の強い紡錘形細胞に一部骨化形成のある肉腫の混在した部分(vimentin陽性)が認められ,腺扁平上皮癌と肉腫が混在した胆嚢癌肉腫と診断された.7年経過した現在も再発の徴候は認めていない.腺扁平上皮癌と肉腫からなる胆嚢癌肉腫の報告は少ない.また腺扁平上皮癌は,大半が高度進行癌で予後不良かつ肉腫併存例での長期生存も少なく,極めて稀であり文献的考察を加えて報告する. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.76.3047 |