術後早期血管造影による評価が有用であった上腸間膜動脈塞栓症の3例

開腹手術下に上腸間膜動脈塞栓除去術を施行し,救命しえた3例を経験した.いずれも,血管造影下の塞栓溶解が無効であった症例で,3例とも腸管壊死所見を呈していなかった.手術終了直後に血管造影を行うことで,症例1では塞栓の残存,症例2では縫合部出血を,症例3では良好な血流を確認しえた.開腹手術における塞栓除去術は術中に触診,doppler血流計で血流を確認するものの,上腸間膜動脈全体の血流の評価は難しい.開腹下に塞栓血栓摘除を施行した症例においては,手術直後に血管造影による上腸間膜動脈血流の評価,確認を行うことが有用である....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 12; pp. 3154 - 3159
Main Authors 小山, 基弘, 真名瀬, 博人, 平, 康二, 大滝, 憲二, 武内, 慎太郎, 上山, 圭史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.3154

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Summary:開腹手術下に上腸間膜動脈塞栓除去術を施行し,救命しえた3例を経験した.いずれも,血管造影下の塞栓溶解が無効であった症例で,3例とも腸管壊死所見を呈していなかった.手術終了直後に血管造影を行うことで,症例1では塞栓の残存,症例2では縫合部出血を,症例3では良好な血流を確認しえた.開腹手術における塞栓除去術は術中に触診,doppler血流計で血流を確認するものの,上腸間膜動脈全体の血流の評価は難しい.開腹下に塞栓血栓摘除を施行した症例においては,手術直後に血管造影による上腸間膜動脈血流の評価,確認を行うことが有用である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.3154