腹腔鏡下に切除した結石を伴った尿膜管遺残症の1例

結石を伴った尿膜管遺残症に対して腹腔鏡下に摘出したので報告する.症例は20代男性.気管支喘息の既往あり.2011年5月より臍周囲の痛みを自覚し,排膿を伴うようになったため近医を受診し,臍炎の診断で当院紹介となった.当院受診時,臍周囲の発赤と圧痛があり,臍奥に開口部を認めた.CTにて臍直下に1.7cm径の石灰化を伴う軟部陰影と周囲の炎症所見を認めた.また,同軟部陰影は尾側で索状物を介して膀胱前壁へ連続しており,尿膜管遺残症と診断した.腹腔鏡下遺残尿膜管切除術を行い,尿膜管遺残組織を含む正中臍靱帯を摘出し,9mmの円形の結石を回収した.病理組織検査では,円柱上皮からなる尿膜管と考えられる管腔構造を...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 11; pp. 3206 - 3209
Main Authors 久保田, 哲史, 室, 雅彦, 井谷, 史嗣, 大村, 泰之, 浅海, 信也, 高倉, 範尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.3206

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Summary:結石を伴った尿膜管遺残症に対して腹腔鏡下に摘出したので報告する.症例は20代男性.気管支喘息の既往あり.2011年5月より臍周囲の痛みを自覚し,排膿を伴うようになったため近医を受診し,臍炎の診断で当院紹介となった.当院受診時,臍周囲の発赤と圧痛があり,臍奥に開口部を認めた.CTにて臍直下に1.7cm径の石灰化を伴う軟部陰影と周囲の炎症所見を認めた.また,同軟部陰影は尾側で索状物を介して膀胱前壁へ連続しており,尿膜管遺残症と診断した.腹腔鏡下遺残尿膜管切除術を行い,尿膜管遺残組織を含む正中臍靱帯を摘出し,9mmの円形の結石を回収した.病理組織検査では,円柱上皮からなる尿膜管と考えられる管腔構造を認めた.腹腔鏡下切除を施行した結石を伴う尿膜管遺残症はまれであり,報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.3206