胃静脈瘤破裂の治療後にペグインターフェロン・リバビリン併用療法を行い著効が得られたC型肝硬変の1例
症例は50代女性.それまで通院歴などなかったが,突然吐血し,当院へ救急搬送された.来院時ショック状態であり,緊急上部消化管内視鏡検査を施行.胃穹窿部の孤立性胃静脈瘤より,噴出性出血を認めたため,内視鏡的静脈瘤結紮術にて一次止血に成功.翌日CTにて胃腎シャントを確認し,バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)を施行したところ,胃静脈瘤は消失した. 本症例はC型肝硬変であったが,肝炎活動性があり,HCV genotype 2a,年齢などを考慮し,ペグインターフェロン・リバビリン併用療法を開始した.8週で血中HCV-RNAは陰性化し,24週治療を完遂,ウイルス学的著効(SVR)を達成した.本症例...
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Published in | 肝臓 Vol. 51; no. 2; pp. 78 - 83 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2010
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.51.78 |
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Summary: | 症例は50代女性.それまで通院歴などなかったが,突然吐血し,当院へ救急搬送された.来院時ショック状態であり,緊急上部消化管内視鏡検査を施行.胃穹窿部の孤立性胃静脈瘤より,噴出性出血を認めたため,内視鏡的静脈瘤結紮術にて一次止血に成功.翌日CTにて胃腎シャントを確認し,バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)を施行したところ,胃静脈瘤は消失した. 本症例はC型肝硬変であったが,肝炎活動性があり,HCV genotype 2a,年齢などを考慮し,ペグインターフェロン・リバビリン併用療法を開始した.8週で血中HCV-RNAは陰性化し,24週治療を完遂,ウイルス学的著効(SVR)を達成した.本症例は胃静脈瘤破裂で初診となったC型肝硬変であるが,胃静脈瘤止血による救命から抗ウイルス療法まで患者の予後に大きく寄与する治療が行えた1例と考え報告する. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.51.78 |