大量腹腔内出血によるショックを呈した小腸GISTの1例

GISTの破裂による腹腔内出血性ショックの1例を経験したので報告する.症例は70歳,男性.突然の右下腹部痛を主訴に前医を受診し,ショック状態で当院に救急搬送された.CTで骨盤内腫瘤の破裂による大量腹腔内出血と診断し,緊急手術を施行した.開腹すると,大量の血性腹水およびTreitz靱帯から約120cmの空腸に10cm大の被膜破裂を伴う壁外性腫瘤を認め,小腸部分切除を施行した.病理組織検査で短紡錘形の腫瘍細胞が柵状に配列して増殖していた.mitotic index 39/50hpf,c-kitおよびCD34が陽性であった.以上よりhigh risk groupのGISTと診断した.術後9カ月まで再...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 4; pp. 893 - 897
Main Authors 長谷川, 正樹, 萬羽, 尚子, 鈴木, 晋, 青野, 高志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.893

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Summary:GISTの破裂による腹腔内出血性ショックの1例を経験したので報告する.症例は70歳,男性.突然の右下腹部痛を主訴に前医を受診し,ショック状態で当院に救急搬送された.CTで骨盤内腫瘤の破裂による大量腹腔内出血と診断し,緊急手術を施行した.開腹すると,大量の血性腹水およびTreitz靱帯から約120cmの空腸に10cm大の被膜破裂を伴う壁外性腫瘤を認め,小腸部分切除を施行した.病理組織検査で短紡錘形の腫瘍細胞が柵状に配列して増殖していた.mitotic index 39/50hpf,c-kitおよびCD34が陽性であった.以上よりhigh risk groupのGISTと診断した.術後9カ月まで再発なく健在である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.893