小腸切除を行ったサイトメガロウイルス腸炎による空腸出血の1例

サイトメガロウイルス(CMV)腸炎による小腸出血に対して小腸部分切除術を必要とした症例を経験した.症例は57歳,男性.Human immunodeficiency virus(HIV)関連非Hodgkinリンパ腫に対してCHOP療法施行中に著明な血圧低下と下血があり,消化管出血が疑われた.腹部造影CTで近位空腸に造影剤の血管外漏出像があり,空腸出血と診断した.Interventional radiology(IVR)で症状改善は得られず,緊急手術を施行,病変部を含め20cmの空腸を切除した.切除検体では免疫組織学的にCMV陽性細胞を認め,CMV腸炎による出血と診断,合併症なく退院した.CMV腸...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 10; pp. 2034 - 2039
Main Authors 高山, 真秀, 古嶋, 薫, 中嶋, 健太郎, 針原, 康, 樅山, 将士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2020
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.81.2034

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Summary:サイトメガロウイルス(CMV)腸炎による小腸出血に対して小腸部分切除術を必要とした症例を経験した.症例は57歳,男性.Human immunodeficiency virus(HIV)関連非Hodgkinリンパ腫に対してCHOP療法施行中に著明な血圧低下と下血があり,消化管出血が疑われた.腹部造影CTで近位空腸に造影剤の血管外漏出像があり,空腸出血と診断した.Interventional radiology(IVR)で症状改善は得られず,緊急手術を施行,病変部を含め20cmの空腸を切除した.切除検体では免疫組織学的にCMV陽性細胞を認め,CMV腸炎による出血と診断,合併症なく退院した.CMV腸炎による出血で手術に至る症例は稀であり報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.81.2034