3D Patch®を用いて修復した上腰ヘルニアの1例

腰ヘルニアは,腰背部の解剖学的抵抗減弱部位から発生する稀な疾患である.従来は周囲の筋膜を用いた弁をもって被覆縫合する治療法が行われていたが,最近では人工素材を用いたtension free修復の報告が散見されている.今回われわれは,右上腰ヘルニアに対し3D Patch®を用い根治術を施行した1例を経験した.症例は73歳,女性.右腰背部の腫瘤を主訴に来院した.腫瘤は触診上8×6cm大であった.腹部CTにて右腎背側,第12肋骨下縁より突出する後腹膜脂肪組織を認め右上腰ヘルニアと診断し手術を施行した.ヘルニア門は約2cmであり,3D Patch®を用いて修復した.術後4カ月目のCTにて再発を認めなか...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 3; pp. 922 - 927
Main Authors 黒田, 晶, 大野, 耕一, 関下, 芳明, 高田, 実, 藤森, 勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.922

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Summary:腰ヘルニアは,腰背部の解剖学的抵抗減弱部位から発生する稀な疾患である.従来は周囲の筋膜を用いた弁をもって被覆縫合する治療法が行われていたが,最近では人工素材を用いたtension free修復の報告が散見されている.今回われわれは,右上腰ヘルニアに対し3D Patch®を用い根治術を施行した1例を経験した.症例は73歳,女性.右腰背部の腫瘤を主訴に来院した.腫瘤は触診上8×6cm大であった.腹部CTにて右腎背側,第12肋骨下縁より突出する後腹膜脂肪組織を認め右上腰ヘルニアと診断し手術を施行した.ヘルニア門は約2cmであり,3D Patch®を用いて修復した.術後4カ月目のCTにて再発を認めなかった.上腰ヘルニアに対する安全でかつ簡易な術式として,3D-Patch®を用いたtension-free修復は有用と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.922