多剤耐性緑膿菌による尿路感染症にAztreonamとArbekacinの併用療法が奏功した一例
多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症に対してaztreonam (AZT)とarbekacin (ABK)の併用療法が有効であったMDRP尿路感染症の1例を経験したため報告する.症例は93歳女性,前医にて発症した左眼内炎の手術目的にて当院入院したが,入院時尿培養にてMDRPが検出された.入院中にMDRP尿路感染症を発症したため,尿道カテーテルの抜去,利尿促進と同時にAZTとABKの併用治療を行い,改善を認めた.FIC indexは0.375であり,相乗効果が確認された.今後,MDRP尿路感染症患者では,尿路移行性の良いABKを併用した治療も選択肢の一つとしてあげられると考えられた....
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Published in | 日本環境感染学会誌 Vol. 24; no. 4; pp. 279 - 282 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境感染学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 1882-532X 1883-2407 |
DOI | 10.4058/jsei.24.279 |
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Summary: | 多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症に対してaztreonam (AZT)とarbekacin (ABK)の併用療法が有効であったMDRP尿路感染症の1例を経験したため報告する.症例は93歳女性,前医にて発症した左眼内炎の手術目的にて当院入院したが,入院時尿培養にてMDRPが検出された.入院中にMDRP尿路感染症を発症したため,尿道カテーテルの抜去,利尿促進と同時にAZTとABKの併用治療を行い,改善を認めた.FIC indexは0.375であり,相乗効果が確認された.今後,MDRP尿路感染症患者では,尿路移行性の良いABKを併用した治療も選択肢の一つとしてあげられると考えられた. |
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ISSN: | 1882-532X 1883-2407 |
DOI: | 10.4058/jsei.24.279 |