ペグインターフェロン-α-2a製剤による治療中にStevens-Johnson症候群を発症したC型慢性肝炎の1例

症例は66歳,女性.C型慢性肝炎のため近医通院中,平成17年6月当科紹介受診.Genotype 2a, HCV RNA定量290KIU/mlであり,肝生検ではF3/A2と進行した肝炎であった.このため同年9月よりペグインターフェロンα-2a(peg-IFNα-2a)180μg/週による治療を開始.プリックテストは陰性であった.特に副作用なく,3回注射施行し退院.以後近医及び当院外来で治療継続し,開始4週後にはHCV RNA定性(-)となった.21週目に注射部位の右肩の痒み,発赤あり,皮膚科受診し軟膏塗布の対症療法を受けた.その後順調に経過していたが,26週目の注射後,両上腕に発赤が出現し,徐々...

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Published in肝臓 Vol. 48; no. 1; pp. 10 - 14
Main Authors 菊池, 一真, 森, 一世, 鏑木, 大輔, 丸田, 栄, 高木, 均, 新井, 理記, 佐野, 宏和, 竝川, 昌司, 岡田, 克之, 蘇原, 直人, 小島, 明, 片田, 桐子, 長沼, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2007
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.48.10

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Summary:症例は66歳,女性.C型慢性肝炎のため近医通院中,平成17年6月当科紹介受診.Genotype 2a, HCV RNA定量290KIU/mlであり,肝生検ではF3/A2と進行した肝炎であった.このため同年9月よりペグインターフェロンα-2a(peg-IFNα-2a)180μg/週による治療を開始.プリックテストは陰性であった.特に副作用なく,3回注射施行し退院.以後近医及び当院外来で治療継続し,開始4週後にはHCV RNA定性(-)となった.21週目に注射部位の右肩の痒み,発赤あり,皮膚科受診し軟膏塗布の対症療法を受けた.その後順調に経過していたが,26週目の注射後,両上腕に発赤が出現し,徐々に全身に発疹が広がったため,当院皮膚科受診.口唇にびらん,痂皮付着あり,顔面,体幹,四肢に多形紅斑の多発癒合を認め,Stevens-Johnson症候群(SJS)の診断にて入院.peg-IFNα-2aは中止とし,prednisolone(PSL)30mg/day内服にて治療を開始したところ,徐々に皮疹は改善した.今回peg-IFNα-2a製剤による治療中にSJSを発症したC型慢性肝炎の一例を経験した.peg-IFNα-2a製剤による紅斑はしばしば経験するが,本例のように稀に重症化することもあり,注意が必要である.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.48.10