頭蓋内から咀嚼筋間隙,下顎骨内にかけて広く進展した三叉神経鞘腫の1例
頭蓋内から咀嚼筋間隙,下顎骨内に大きく進展した三叉神経鞘腫に対して,手術加療を行った。症例は38歳の女性。2008年4月に左耳前部腫脹を主訴に,前医で左卵円孔上から下顎骨内の連続性の腫瘍を指摘され,下顎神経鞘腫の疑いであった。経過観察中腫瘍が増大し2013年1月に左耳前部疼痛が出現したため,手術加療の方針となった。前頭側頭開頭,眼窩頬骨到達法,経耳下腺法,下顎骨側方離断法の複合アプローチにて腫瘍摘出術を施行した。術後18か月現在,咬合不全を認めているが顔面神経麻痺・開口障害は改善しており,腫瘍の明らかな残存や再発は認めていない。複数のアプローチを工夫することで美容的・機能的に患者満足度の高い結...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 25; no. 3; pp. 437 - 442 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.25.437 |
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Summary: | 頭蓋内から咀嚼筋間隙,下顎骨内に大きく進展した三叉神経鞘腫に対して,手術加療を行った。症例は38歳の女性。2008年4月に左耳前部腫脹を主訴に,前医で左卵円孔上から下顎骨内の連続性の腫瘍を指摘され,下顎神経鞘腫の疑いであった。経過観察中腫瘍が増大し2013年1月に左耳前部疼痛が出現したため,手術加療の方針となった。前頭側頭開頭,眼窩頬骨到達法,経耳下腺法,下顎骨側方離断法の複合アプローチにて腫瘍摘出術を施行した。術後18か月現在,咬合不全を認めているが顔面神経麻痺・開口障害は改善しており,腫瘍の明らかな残存や再発は認めていない。複数のアプローチを工夫することで美容的・機能的に患者満足度の高い結果が得られたので報告する。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.25.437 |