局所進行甲状腺癌の手術
甲状腺分化癌は予後良好であるが,甲状腺の解剖学的位置のため,進行すると気道や食道への浸潤をきたしやすい。気道浸潤は6%程度に,内腔に達する浸潤は1%程度と報告されている。また局所進行癌の再発リスクは30-40%と高く,特に高齢者の予後は不良とされる。分化癌に対する化学療法薬はなく,放射線感受性も低いため,局所病変の治療は手術療法が中心となり,切除による局所制御が重要視される。頭頸部外科医は頭頸部癌に対する手術療法で,音声や嚥下改善を含む喉頭機能温存手術を展開してきた。頭頸部外科手術で培った英知を,甲状腺外科手術にも応用することで,局所進行甲状腺癌患者の予後やQOLの改善に貢献できるものと思われ...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 30; no. 2; pp. 151 - 155 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.30.151 |
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Summary: | 甲状腺分化癌は予後良好であるが,甲状腺の解剖学的位置のため,進行すると気道や食道への浸潤をきたしやすい。気道浸潤は6%程度に,内腔に達する浸潤は1%程度と報告されている。また局所進行癌の再発リスクは30-40%と高く,特に高齢者の予後は不良とされる。分化癌に対する化学療法薬はなく,放射線感受性も低いため,局所病変の治療は手術療法が中心となり,切除による局所制御が重要視される。頭頸部外科医は頭頸部癌に対する手術療法で,音声や嚥下改善を含む喉頭機能温存手術を展開してきた。頭頸部外科手術で培った英知を,甲状腺外科手術にも応用することで,局所進行甲状腺癌患者の予後やQOLの改善に貢献できるものと思われる。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.30.151 |