消化管穿孔をきたしたcollagenous colitisの1例
症例は77歳,女性.半年前より逆流性食道炎に対し,ランソプラゾール(以下PPI)を服用中であった.数日間持続する間欠的な腹痛と下血,受診直前に行った自己浣腸後の腹痛の増悪を主訴に当院を受診した.左下腹部に強い圧痛を認め,腹部CT検査にて腹腔内遊離ガスを認めたため,消化管穿孔汎発性腹膜炎の診断にて緊急手術を施行した.術中所見では,横行結腸と下行結腸にそれぞれ1カ所ずつ直径1cm程度の穿孔部を認めたが,穿孔原因は明らかなではなかった.結腸切除,腹腔ドレナージ術を施行した.病理組織学的検査では,切除腸管全域に表層上皮下の厚い膠原繊維帯の形成を認め,collagenous colitis(以下CC)と...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 11; pp. 3082 - 3086 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2013
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.74.3082 |
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| Summary: | 症例は77歳,女性.半年前より逆流性食道炎に対し,ランソプラゾール(以下PPI)を服用中であった.数日間持続する間欠的な腹痛と下血,受診直前に行った自己浣腸後の腹痛の増悪を主訴に当院を受診した.左下腹部に強い圧痛を認め,腹部CT検査にて腹腔内遊離ガスを認めたため,消化管穿孔汎発性腹膜炎の診断にて緊急手術を施行した.術中所見では,横行結腸と下行結腸にそれぞれ1カ所ずつ直径1cm程度の穿孔部を認めたが,穿孔原因は明らかなではなかった.結腸切除,腹腔ドレナージ術を施行した.病理組織学的検査では,切除腸管全域に表層上皮下の厚い膠原繊維帯の形成を認め,collagenous colitis(以下CC)と診断した.PPI内服後に発生したCCに消化管穿孔を合併した1例を経験したため文献的考察を加え報告する. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.74.3082 |