横行結腸間膜に主座を有する未分化癌の1例

59歳,男性.下腹部痛を主訴に近医を受診し,腹腔内腫瘍の診断で当院紹介となった.腹部CTにて腹腔内に最大径12cmの内部壊死を伴う腫瘍を認めた.下部消化管内視鏡検査では異常を認めなかった.開腹手術を施行したところ,腫瘍は横行結腸間膜に主座を有し,横行結腸の漿膜に浸潤していた.小腸間膜およびDouglas窩,肝外側区域表面には白色結節が多数存在していた.横行結腸部分切除を伴う腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的に,腫瘍は腺管構造を欠き,免疫染色等の検索で粘液分泌や内分泌顆粒は認められず,未分化癌と診断された.腸間膜の充実性悪性腫瘍は稀な疾患であり,その組織発生について文献的考察を加えて報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 10; pp. 2807 - 2811
Main Authors 上野, 秀樹, 山本, 順司, 長谷, 和生, 島崎, 英幸, 阿尾, 理一, 米村, 圭介, 神藤, 英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.2807

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Summary:59歳,男性.下腹部痛を主訴に近医を受診し,腹腔内腫瘍の診断で当院紹介となった.腹部CTにて腹腔内に最大径12cmの内部壊死を伴う腫瘍を認めた.下部消化管内視鏡検査では異常を認めなかった.開腹手術を施行したところ,腫瘍は横行結腸間膜に主座を有し,横行結腸の漿膜に浸潤していた.小腸間膜およびDouglas窩,肝外側区域表面には白色結節が多数存在していた.横行結腸部分切除を伴う腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的に,腫瘍は腺管構造を欠き,免疫染色等の検索で粘液分泌や内分泌顆粒は認められず,未分化癌と診断された.腸間膜の充実性悪性腫瘍は稀な疾患であり,その組織発生について文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.2807