先天性門脈中肝静脈シャントに合併した若年性肝細胞癌の1例

症例は23歳 男性.幼少時に高ガラクトース血症を指摘されていた.検診の肝機能異常を契機に肝外側区に突出する9 cm大の肝腫瘍を指摘された.CT,MRIで肝外側区肝細胞癌,右肝多発良性腫瘤,先天性肝内門脈中肝静脈シャントと診断された.肝細胞癌に対しては肝部分切除術(S2/S3),右肝多発腫瘤は経過観察の方針となった.病理組織所見では中分化型肝細胞癌であり,非腫瘍部では門脈の狭窄や狭小化が顕著であり,周囲肝組織の高度なうっ血や,肝細胞変性・萎縮・過形成性変化が認められ,門脈体循環シャントに起因する病態と考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in肝臓 Vol. 60; no. 10; pp. 366 - 372
Main Authors 杉本, 理恵, 荒武, 良総, 千住, 猛士, 野口, 達矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.10.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.60.366

Cover

More Information
Summary:症例は23歳 男性.幼少時に高ガラクトース血症を指摘されていた.検診の肝機能異常を契機に肝外側区に突出する9 cm大の肝腫瘍を指摘された.CT,MRIで肝外側区肝細胞癌,右肝多発良性腫瘤,先天性肝内門脈中肝静脈シャントと診断された.肝細胞癌に対しては肝部分切除術(S2/S3),右肝多発腫瘤は経過観察の方針となった.病理組織所見では中分化型肝細胞癌であり,非腫瘍部では門脈の狭窄や狭小化が顕著であり,周囲肝組織の高度なうっ血や,肝細胞変性・萎縮・過形成性変化が認められ,門脈体循環シャントに起因する病態と考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.60.366