門脈ステントを留置した肝門部胆管癌肝門部再発の1例

門脈ステント留置術は,悪性腫瘍による門脈狭窄に対して,安全に門脈圧を低下させるための有効な手技であると報告されているが汎用されている手技ではない.われわれは,肝門部胆管癌術後,肝門部再発により高度な門脈狭窄を呈し,それに随伴する門脈血流の低下が原因と考えられる遷延する黄疸に対し経皮経肝的門脈ステント留置を施行し門脈血流の改善,肝機能の改善を得られた症例を経験した.門脈ステント留置は,狭窄部位や範囲,門脈圧亢進による側副路の存在などを評価した上で,早期に施行することで門脈圧亢進症状の出現を予防し,QOLの向上が得られるのではないかと考えられる....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 10; pp. 2879 - 2884
Main Authors 大野, 陽介, 武冨, 紹信, 神山, 俊哉, 敦賀, 陽介, 横尾, 英樹, 蒲池, 浩文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.2879

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Summary:門脈ステント留置術は,悪性腫瘍による門脈狭窄に対して,安全に門脈圧を低下させるための有効な手技であると報告されているが汎用されている手技ではない.われわれは,肝門部胆管癌術後,肝門部再発により高度な門脈狭窄を呈し,それに随伴する門脈血流の低下が原因と考えられる遷延する黄疸に対し経皮経肝的門脈ステント留置を施行し門脈血流の改善,肝機能の改善を得られた症例を経験した.門脈ステント留置は,狭窄部位や範囲,門脈圧亢進による側副路の存在などを評価した上で,早期に施行することで門脈圧亢進症状の出現を予防し,QOLの向上が得られるのではないかと考えられる.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.2879