硬膜外麻酔における局所麻酔薬の選択

硬膜外麻酔においては局所麻酔薬の濃度, 容量, および総投与量が麻酔域に影響を与える. しかし, 冷覚テストやピンプリックテストなどといった従来の判定法で得られた麻酔域は外科的な侵襲に耐えうる麻酔域を正確に示してはおらず, これを判定するためには神経遮断域の広がりのみではなく, 麻酔域における神経遮断の強度を認識する必要がある. 神経遮断の強度は, 等量の局所麻酔薬を使用する場合において, より高濃度のものを使用する方が有効に侵害刺激を遮断することができる. 硬膜外麻酔域判定が困難となる全身麻酔併用症例においても, より高濃度の局所麻酔薬を使用することにより有効に侵害刺激を遮断でき, 質の高い...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 28; no. 1; pp. 79 - 84
Main Authors 佐倉, 伸一, 豊田, 浩作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2008
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.28.79

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Summary:硬膜外麻酔においては局所麻酔薬の濃度, 容量, および総投与量が麻酔域に影響を与える. しかし, 冷覚テストやピンプリックテストなどといった従来の判定法で得られた麻酔域は外科的な侵襲に耐えうる麻酔域を正確に示してはおらず, これを判定するためには神経遮断域の広がりのみではなく, 麻酔域における神経遮断の強度を認識する必要がある. 神経遮断の強度は, 等量の局所麻酔薬を使用する場合において, より高濃度のものを使用する方が有効に侵害刺激を遮断することができる. 硬膜外麻酔域判定が困難となる全身麻酔併用症例においても, より高濃度の局所麻酔薬を使用することにより有効に侵害刺激を遮断でき, 質の高い麻酔管理が行えると考えられる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.28.79