組織像が異なるC1q腎症の2例

C1qがメサンギウムに優位に沈着し,C1q腎症と思われる女児2例を報告した。1例は光顕で巣状糸球体硬化を示し,蛍光抗体法でIgG,C3は弱陽性であった。他の1例は微少変化群でC1qと同様にIgG,IgA,IgM,C3,C4が有意に陽性であった。C1q腎症の文献を検討すると,光顕所見は微少変化群,メサンギウム増殖病変および巣状糸球体硬化症の3つの群に分けられる。C1q腎症は不均一な病変であり,蛍光所見を加味して,光顕で3つの組織所見に分けて検討することが,臨床的意義を明らかにするために必要と思われる。...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 19; no. 2; pp. 135 - 140
Main Authors 三木, 幸子, 佐々木, 望, 森野, 正明, 井上, 明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2006
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ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.19.135

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Summary:C1qがメサンギウムに優位に沈着し,C1q腎症と思われる女児2例を報告した。1例は光顕で巣状糸球体硬化を示し,蛍光抗体法でIgG,C3は弱陽性であった。他の1例は微少変化群でC1qと同様にIgG,IgA,IgM,C3,C4が有意に陽性であった。C1q腎症の文献を検討すると,光顕所見は微少変化群,メサンギウム増殖病変および巣状糸球体硬化症の3つの群に分けられる。C1q腎症は不均一な病変であり,蛍光所見を加味して,光顕で3つの組織所見に分けて検討することが,臨床的意義を明らかにするために必要と思われる。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.19.135