失語症者の awareness の検討
失語症者の言語症状に対する awareness について検討した。対象は音声言語表出と聴覚言語理解に障害を呈する失語症例 21 例。聴覚言語理解障害,音声言語表出障害に対して awareness の有無について interview を行い,これを 3 段階に評価した。客観的言語評価として SLTA を施行し,音声言語表出項目 30 点と聴覚言語理解項目 30 点を抽出し,加えて全例に知能検査として Raven 色彩マトリックス検査を行い,統計的分析を試みた。結果,awareness と障害重症度や知能との間には有意な相関を認めなかった。統計的検定の結果,言語表出に対する awareness よ...
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Published in | 高次脳機能研究 (旧 失語症研究) Vol. 30; no. 4; pp. 488 - 495 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本高次脳機能学会
31.12.2010
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Subjects | |
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ISSN | 1348-4818 1880-6554 |
DOI | 10.2496/hbfr.30.488 |
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Summary: | 失語症者の言語症状に対する awareness について検討した。対象は音声言語表出と聴覚言語理解に障害を呈する失語症例 21 例。聴覚言語理解障害,音声言語表出障害に対して awareness の有無について interview を行い,これを 3 段階に評価した。客観的言語評価として SLTA を施行し,音声言語表出項目 30 点と聴覚言語理解項目 30 点を抽出し,加えて全例に知能検査として Raven 色彩マトリックス検査を行い,統計的分析を試みた。結果,awareness と障害重症度や知能との間には有意な相関を認めなかった。統計的検定の結果,言語表出に対する awareness より言語理解に対する awareness のほうが有意に損なわれやすい傾向が認められた。 |
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ISSN: | 1348-4818 1880-6554 |
DOI: | 10.2496/hbfr.30.488 |