口腔カンジダ症に対するイトラコナゾール内用液含嗽療法の検討

イトラコナゾール内用液(ITCZ-OS)は優れた有効性を示すが胃腸障害の副作用が比較的多い。そこで本剤を含嗽して使用するITCZ-OS含嗽療法を考案し,その有効性と粘膜組織および血漿中薬剤濃度を測定し作用機序についても検討した。対象は口腔カンジダ症症例25例で投与方法はITCZ-OS 1回10mlを1日2回,朝,夕食後に2分間含嗽させ15日間投与した。臨床的有効率は72.0%,カンジダ菌の消失は68.0%,臨床および真菌学的効果を合わせた含嗽療法有効率は88.0%であった。副作用は3例にみられた。以上より本治療法は口腔カンジダ症治療に有効であると思われた。また,組織中からITCZを検出,血漿中...

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Published in日本口腔粘膜学会雑誌 Vol. 15; no. 2; pp. 70 - 76
Main Authors 内山, 公男, 藤林, 孝司, 岩渕, 博史, 岩渕, 絵美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 2009
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ISSN1341-7983
1884-1473
DOI10.6014/jjomm.15.70

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Summary:イトラコナゾール内用液(ITCZ-OS)は優れた有効性を示すが胃腸障害の副作用が比較的多い。そこで本剤を含嗽して使用するITCZ-OS含嗽療法を考案し,その有効性と粘膜組織および血漿中薬剤濃度を測定し作用機序についても検討した。対象は口腔カンジダ症症例25例で投与方法はITCZ-OS 1回10mlを1日2回,朝,夕食後に2分間含嗽させ15日間投与した。臨床的有効率は72.0%,カンジダ菌の消失は68.0%,臨床および真菌学的効果を合わせた含嗽療法有効率は88.0%であった。副作用は3例にみられた。以上より本治療法は口腔カンジダ症治療に有効であると思われた。また,組織中からITCZを検出,血漿中から微量のITCZ,OH-ITCZを検出した。血漿中より少量の薬剤成分を検出したことより全身性副作用も考慮する必要があると思われた。
ISSN:1341-7983
1884-1473
DOI:10.6014/jjomm.15.70