teicoplanin, arbekacin, mupirocin耐性MRSAの薬剤感受性とPFGE型
1992年~1998年の7年間に, 順天堂大学附属病院で分離されたmethicillin-resistant Staphylococcusaureus (MRSA) のなかから, arbekacin (ABK), mupirocin (MUP), teicoplanin (TEIC) に耐性であった株が, 各々2株, 9株, 7株検出された. これら耐性株について, pulsed-field gel electrophoresis (PFGE) による遺伝子解析を行い, コアグラーゼ型および抗菌薬感受性パターンについて検討した. ABK耐性 (MIC 8μg/ml) 2株のPFGE型はA型 (...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 77; no. 2; pp. 68 - 74 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.02.2003
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.68 |
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Summary: | 1992年~1998年の7年間に, 順天堂大学附属病院で分離されたmethicillin-resistant Staphylococcusaureus (MRSA) のなかから, arbekacin (ABK), mupirocin (MUP), teicoplanin (TEIC) に耐性であった株が, 各々2株, 9株, 7株検出された. これら耐性株について, pulsed-field gel electrophoresis (PFGE) による遺伝子解析を行い, コアグラーゼ型および抗菌薬感受性パターンについて検討した. ABK耐性 (MIC 8μg/ml) 2株のPFGE型はA型 (A3とA7型), MUP耐性 (MIC 4μg/ml以上) 9株はC1型3株, A型3株 (A1, A4, A8各1株) とD型, E型, G型各1株であった. これらの株には抗菌薬感受性パターンに類似性は認められず, 一定期間に集中して検出されることもなかった. TEIC耐性 (MIC 16μg/ml) 7株のPFGE型は, すべてB型 (B1型5株, B2型とB5型各1株) であった. これら耐性株は, 抗菌薬感受性パターンがほぼ同じであったことから本院の流行株である可能性が示唆された. しかしながら, PFGE型Bは他のPFGE型に比べてTEICに明らかな耐性化傾向を示しており, 本型がTEIC耐性に関与する要因を保持している可能性も考えられた. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.68 |