未熟児網膜症治療後の1歳前後での屈折の検討
【目的】未熟児網膜症(ROP)に対する抗VEGF療法後は網膜光凝固と比較して近視化が少ないと報告されている。網膜光凝固、ラニビズマブ硝子体内注射(IVR)によるROP治療後の屈折値を比較検討した。 【対象と方法】2012年~2022年に治療を要したROP症例で1歳前後に屈折値を測定できた45例90眼。A群:2019年以前の光凝固群、B群:2020年以降の光凝固群、C群:IVRのみ群、D群:IVR後に光凝固追加群に分けて、出生体重、在胎週数、初回治療時の修正週数、屈折値を後ろ向きに検討した。 【結果】平均出生体重はA群639 g、B群804 g、C群715 g、D群672 gでA群がB群より有意...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 54; pp. 29 - 34 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2024
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.54F112 |
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Summary: | 【目的】未熟児網膜症(ROP)に対する抗VEGF療法後は網膜光凝固と比較して近視化が少ないと報告されている。網膜光凝固、ラニビズマブ硝子体内注射(IVR)によるROP治療後の屈折値を比較検討した。 【対象と方法】2012年~2022年に治療を要したROP症例で1歳前後に屈折値を測定できた45例90眼。A群:2019年以前の光凝固群、B群:2020年以降の光凝固群、C群:IVRのみ群、D群:IVR後に光凝固追加群に分けて、出生体重、在胎週数、初回治療時の修正週数、屈折値を後ろ向きに検討した。 【結果】平均出生体重はA群639 g、B群804 g、C群715 g、D群672 gでA群がB群より有意に少なかった(p<0.05)。平均在胎週数はA群24.6週、B群26.1週、C群25.6週、D群24.6週でA群とB群、A群とC群、C群とD群で有意差があった(p<0.05)。初回治療時の修正週数の平均はA群35.2週、B群38.7週、C群36.6週、D群34.6週で、A群とB群、C群とD群で有意差があった(p<0.05)。平均等価球面値はA群(-5.25D)とB、C、D群(-0.85D、+0.32D、-0.12D)で有意差があり、BCD群はA群と比較し有意に近視度数が少なかった(各p<0.01)。 【結論】IVRが導入された2020年以降治療を受けた未熟児の1歳時における近視化が抑制されていた。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.54F112 |