十二指腸穿孔を伴う感染性膵壊死に対して計画的再手術が有用であった1例

〔要旨〕症例は63 歳,男性。総胆管結石に対する内視鏡的切石術後に重症急性膵炎を発症した。被包化壊死を残した状態で退院となったが,退院後37日目より発熱,右鼠径部痛を認めた。十二指腸穿孔を伴う感染性膵壊死と診断し手術を施行した。初回手術ではネクロセクトミーと胆嚢摘出術を施行し,計画的再手術を予定しopen abdomen management(OAM)とした。CT検査にて残存する壊死物質の貯留を確認し,2日後に再手術を施行した。ネクロセクトミーの追加と十二指腸穿孔部を縫合閉鎖し,ドレーンを留置して閉腹した。再手術後88病日に退院となった。十二指腸穿孔を伴う感染性膵壊死に対してOAMを用いた計画...

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Published inJapanese Journal of Acute Care Surgery Vol. 13; pp. 57 - 61
Main Authors 甲斐田大資, 上田, 順彦, 宮下, 知治, 高村, 博之, 飯沼, 由嗣, 宮田, 隆司, 藤田, 秀人, 三浦, 聖子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会 2023
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ISSN2436-102X
DOI10.50840/jjacs.13-02

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Summary:〔要旨〕症例は63 歳,男性。総胆管結石に対する内視鏡的切石術後に重症急性膵炎を発症した。被包化壊死を残した状態で退院となったが,退院後37日目より発熱,右鼠径部痛を認めた。十二指腸穿孔を伴う感染性膵壊死と診断し手術を施行した。初回手術ではネクロセクトミーと胆嚢摘出術を施行し,計画的再手術を予定しopen abdomen management(OAM)とした。CT検査にて残存する壊死物質の貯留を確認し,2日後に再手術を施行した。ネクロセクトミーの追加と十二指腸穿孔部を縫合閉鎖し,ドレーンを留置して閉腹した。再手術後88病日に退院となった。十二指腸穿孔を伴う感染性膵壊死に対してOAMを用いた計画的再手術によるネクロセクトミーが有効であった1例を報告する。
ISSN:2436-102X
DOI:10.50840/jjacs.13-02