南海トラフ地震を想定した愛知県災害時外傷外科連絡網の作成に携わって

〔要旨〕南海トラフ地震が発災した場合,愛知県では甚大な被害が発生することが想定されており,患者搬送支援が必要になると考えられる。愛知県の救急医と外科医で構成される愛知Acute Care Surgeryフォーラムでは,南海トラフ地震を想定した災害時の手術患者搬送支援について検討を重ねている。外傷手術を頭部・心大血管・呼吸器・消化器・肝胆膵・骨盤・四肢・血管塞栓術に分類し,愛知県下35の災害拠点病院で施行可能な外傷手術を調査した。発災時,愛知県下33の災害拠点病院でいずれかの外傷手術が施行可能であり,18の災害拠点病院では8領域すべての外傷手術が対応可能という結果であった。われわれはこの結果をま...

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Published inJapanese Journal of Acute Care Surgery Vol. 13; pp. 173 - 178
Main Authors 北川, 喜己, 菅原, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会 2023
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ISSN2436-102X
DOI10.50840/jjacs.13-21

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Summary:〔要旨〕南海トラフ地震が発災した場合,愛知県では甚大な被害が発生することが想定されており,患者搬送支援が必要になると考えられる。愛知県の救急医と外科医で構成される愛知Acute Care Surgeryフォーラムでは,南海トラフ地震を想定した災害時の手術患者搬送支援について検討を重ねている。外傷手術を頭部・心大血管・呼吸器・消化器・肝胆膵・骨盤・四肢・血管塞栓術に分類し,愛知県下35の災害拠点病院で施行可能な外傷手術を調査した。発災時,愛知県下33の災害拠点病院でいずれかの外傷手術が施行可能であり,18の災害拠点病院では8領域すべての外傷手術が対応可能という結果であった。われわれはこの結果をまとめたものを愛知県災害時外傷外科連絡網と称している。発災時に,愛知県DMAT調整本部と連絡網を共有することで,搬送先や搬送手段を判断する資料として利用可能であると考えた。
ISSN:2436-102X
DOI:10.50840/jjacs.13-21