プラセンタエキスの更年期症状に対する効果:システマティックレビュー及びメタアナリシスによる検証

〔目的〕 プラセンタエキスが更年期症状の改善に有効であるか否かを,システマティックレビュー及びメタアナリシスにより解析して検証した。〔方法〕 プラセンタエキスをヒトに投与して,更年期症状の改善の有無を解析したランダム化比較試験を複数の電子データベース(医中誌,CiNii,PubMed,Cochrane library,及びEmbase)で検索した。選定基準を満たす論文を対象とし,論文の質をModified Jadad scaleで評価し,次いでEasy Rにより,更年期症状の改善及び更年期症状に関係するホルモンの分泌の変動に関するメタアナリシスを行った。〔結果〕 最終的に9編の論文がメタアナリ...

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Published in青森保健医療福祉研究 Vol. 7; no. 1; pp. 12 - 21
Main Authors 今, 淳, 浅水, 希, 髙橋, 実夢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公立大学法人 青森県立保健大学 2025
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ISSN2435-6794
DOI10.60395/ajhw.7.1.12

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Summary:〔目的〕 プラセンタエキスが更年期症状の改善に有効であるか否かを,システマティックレビュー及びメタアナリシスにより解析して検証した。〔方法〕 プラセンタエキスをヒトに投与して,更年期症状の改善の有無を解析したランダム化比較試験を複数の電子データベース(医中誌,CiNii,PubMed,Cochrane library,及びEmbase)で検索した。選定基準を満たす論文を対象とし,論文の質をModified Jadad scaleで評価し,次いでEasy Rにより,更年期症状の改善及び更年期症状に関係するホルモンの分泌の変動に関するメタアナリシスを行った。〔結果〕 最終的に9編の論文がメタアナリシスの対象となった。更年期症状の総合評価と易疲労性の評価から,プラセンタエキスは改善効果を示すことが明らかになった。また,プラセンタエキスはエストロゲンの分泌を促進しなかったが,卵胞刺激ホルモンの分泌は低下させた。〔結論〕 プラセンタエキスは更年期症状の改善に一定の効果を示すことが確認された。エストロゲンの分泌を促進しないことから,プラセンタエキスは女性ホルモンのホルモン補充療法の代替療法ではなく,症状改善を目的とした補助療法の役割が期待されると考えられた。
ISSN:2435-6794
DOI:10.60395/ajhw.7.1.12