下肢多発性末梢動脈瘤の急性閉塞に対して血行再建を行い救肢した1例
両下肢多発性動脈瘤を合併した急性動脈閉塞症例を経験した.症例は64歳,男性.突然右下肢痛を自覚し当院に紹介された.右下腿以下にチアノーゼと冷感を認めた.造影CT検査で右総腸骨動脈瘤,両側総大腿動脈瘤,両側膝上膝窩動脈瘤を認めた.右外腸骨動脈(EIA)以下の広範な閉塞を認め,側副血行路で外側大腿回旋動脈(LCx)と膝下膝窩動脈以下が造影された.左EIAに50%の狭窄を認め,鼠径以下の動脈閉塞を認めた.左EIAより直接造影されたのはLCxのみで,側副血行路で膝上膝窩動脈以下が造影された.緊急で左EIA–左LCxバイパス,左グラフト–右LCxバイパス,右グラフト–膝下膝窩動脈バイパスを人工血管で施行...
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Published in | 日本血管外科学会雑誌 Vol. 34; no. 3; pp. 75 - 79 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
27.06.2025
日本血管外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0918-6778 1881-767X |
DOI | 10.11401/jsvs.25-00003 |
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Summary: | 両下肢多発性動脈瘤を合併した急性動脈閉塞症例を経験した.症例は64歳,男性.突然右下肢痛を自覚し当院に紹介された.右下腿以下にチアノーゼと冷感を認めた.造影CT検査で右総腸骨動脈瘤,両側総大腿動脈瘤,両側膝上膝窩動脈瘤を認めた.右外腸骨動脈(EIA)以下の広範な閉塞を認め,側副血行路で外側大腿回旋動脈(LCx)と膝下膝窩動脈以下が造影された.左EIAに50%の狭窄を認め,鼠径以下の動脈閉塞を認めた.左EIAより直接造影されたのはLCxのみで,側副血行路で膝上膝窩動脈以下が造影された.緊急で左EIA–左LCxバイパス,左グラフト–右LCxバイパス,右グラフト–膝下膝窩動脈バイパスを人工血管で施行した.左EIAの狭窄に対してbare metal stentを留置した.術後経過は良好で症状も改善した.対側のLCxを再建することでin-flowを確保してクロスオーバーで患側の血行再建を行った. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.25-00003 |