蛍光血管造影剤 (インドシアニングリーン) は顕微鏡下精索静脈瘤結紮術の精巣動脈温存に有用である

当院では2018年4月より精索静脈瘤に対して顕微鏡下低位結紮術を導入しているが, 術中の精巣動脈の同定・温存は難易度が高く温存が難しい症例を経験する. 我々は2022年6月から術中に蛍光血管造影剤であるインドシアニングリーン (ICG) を投与し硬性鏡下で動脈を同定・温存する方法 (以下ICG法) を導入し5例に施行した. 従来法の35例とICG法の5例における手術時間・動脈温存本数・術後合併症・治療効果を比較検討した. 患者背景や手術時間・術後合併症・治療効果では差を認めなかったが, 精巣動脈の温存本数は従来法1.5本 (0本-5本) に対してICG法で3.0本 (2本-4本) であり有意差...

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Published inJapanese Journal of Endourology and Robotics Vol. 36; no. 2; pp. 285 - 289
Main Authors 松村, 聡一, 関井, 洋輔, 木山, 祐亮, 髙田, 晋吾, 奥見, 雅由, 北風, 宏明, 井之口, 舜亮, 本郷, 祥子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 2023
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ISSN2436-875X
DOI10.11302/jserjje.36.2_285

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Summary:当院では2018年4月より精索静脈瘤に対して顕微鏡下低位結紮術を導入しているが, 術中の精巣動脈の同定・温存は難易度が高く温存が難しい症例を経験する. 我々は2022年6月から術中に蛍光血管造影剤であるインドシアニングリーン (ICG) を投与し硬性鏡下で動脈を同定・温存する方法 (以下ICG法) を導入し5例に施行した. 従来法の35例とICG法の5例における手術時間・動脈温存本数・術後合併症・治療効果を比較検討した. 患者背景や手術時間・術後合併症・治療効果では差を認めなかったが, 精巣動脈の温存本数は従来法1.5本 (0本-5本) に対してICG法で3.0本 (2本-4本) であり有意差を認めた. ICG法では従来法に比較して精巣動脈の温存本数が有意に多く術中のICG投与は有用であると考えられた.
ISSN:2436-875X
DOI:10.11302/jserjje.36.2_285