COVID-19回復時期に発症した続発性気胸・膿胸の一例

症例は79歳,男性.X年にCOVID-19に罹患し当院で入院加療を行い,第13病日に自宅退院となった.退院1週間後に右気胸を発症して,当院呼吸器内科でドレナージ治療が開始された.再入院後1週間でMRSA膿胸を併発し有瘻性膿胸として当科紹介となった.air leakは少量で発症早期の膿胸であることから胸腔鏡下肺瘻閉鎖術+胸腔内洗浄ドレナージ術を施行する方針としたが術中に肺瘻箇所の同定が出来なかったため,0.1%ピオクタニンⓇ水溶液を用いた洗浄を行って手術を終了した.術後はMRSAの浄化は得られたが,少量のair leakの遷延があったため癒着療法を3回施行した.肺瘻閉鎖が得られたため胸腔ドレーン...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 2; pp. 205 - 209
Main Authors 調枝, 治樹, 大越, 祐介, 竹尾, 正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.03.2022
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.36.205

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Summary:症例は79歳,男性.X年にCOVID-19に罹患し当院で入院加療を行い,第13病日に自宅退院となった.退院1週間後に右気胸を発症して,当院呼吸器内科でドレナージ治療が開始された.再入院後1週間でMRSA膿胸を併発し有瘻性膿胸として当科紹介となった.air leakは少量で発症早期の膿胸であることから胸腔鏡下肺瘻閉鎖術+胸腔内洗浄ドレナージ術を施行する方針としたが術中に肺瘻箇所の同定が出来なかったため,0.1%ピオクタニンⓇ水溶液を用いた洗浄を行って手術を終了した.術後はMRSAの浄化は得られたが,少量のair leakの遷延があったため癒着療法を3回施行した.肺瘻閉鎖が得られたため胸腔ドレーンを抜去し,術後26日目に自宅退院となった.COVID-19関連の気胸は軽快後も発症する可能性があり,易感染状態であれば膿胸を併発するリスクもあるため,適切な治療介入が必要であると考えられる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.36.205