特発性と考えらえた孤立性肺動脈瘤に対して経カテーテル的動脈塞栓術を施行した1 例

要旨:とくに誘因のない特発性の肺動脈瘤は非常に稀な疾患とされており,その自然経過は不明な点が多い.しかし,破裂すると致死的となり得るため,診断がつき次第,病因や瘤サイズ,症状の有無にかかわらず治療適応とすべきとの報告もある.症例は60 代,女性.14 年前の健診にて指摘された左肺動脈瘤の増大傾向を認めたため,経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization; TAE)の方針となった.動脈瘤のサイズはϕ15×12 mm 大で1 本の流入動脈と2 本の流出動脈を認めた.TAE は流出動脈と流入動脈をコイル塞栓し,明らかな合併症なく手技を終了した.本法...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 23; no. 6; pp. 923 - 926
Main Authors 橋本, 一樹, 村上, 健司, 千早, 啓介, 原口, 貴史, 小川, 普久, 荒井, 保典, 中島, 康雄, 濱口, 真吾, 藤塚, 進司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2014
日本血管外科学会
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.14-00020

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Summary:要旨:とくに誘因のない特発性の肺動脈瘤は非常に稀な疾患とされており,その自然経過は不明な点が多い.しかし,破裂すると致死的となり得るため,診断がつき次第,病因や瘤サイズ,症状の有無にかかわらず治療適応とすべきとの報告もある.症例は60 代,女性.14 年前の健診にて指摘された左肺動脈瘤の増大傾向を認めたため,経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization; TAE)の方針となった.動脈瘤のサイズはϕ15×12 mm 大で1 本の流入動脈と2 本の流出動脈を認めた.TAE は流出動脈と流入動脈をコイル塞栓し,明らかな合併症なく手技を終了した.本法は外科的切除術に比し低侵襲で,有用な治療選択の一つになると考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.14-00020