臨床倫理コンサルテーションにおける具体的な対応
臨床倫理コンサルテーションは医療従事者から希求されているが,その普及は十分ではない.臨床倫理的なジレンマが存在するというコンセンサスはあるものの,どのように対応するのかのコンセンサスがないことが課題である.本稿では,臨床倫理コンサルテーションでの具体的な対応について考察していく.まず臨床倫理に関する過去の文献を振り返り,臨床倫理の具体的な作業について考察をし,その本質は価値の比較考量と選択であることを明らかにし,その手順を4段階に整理した.次に,臨床倫理コンサルテーションの手順を確認し,当事者への応答について考察を行い,自験例から典型的な臨床倫理的問題への確認事項の返答と価値判断を伴う返答にお...
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| Published in | 関西医科大学雑誌 Vol. 72; pp. 1 - 10 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
関西医科大学医学会
2021
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0022-8400 2185-3851 |
| DOI | 10.5361/jkmu.72.1 |
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| Summary: | 臨床倫理コンサルテーションは医療従事者から希求されているが,その普及は十分ではない.臨床倫理的なジレンマが存在するというコンセンサスはあるものの,どのように対応するのかのコンセンサスがないことが課題である.本稿では,臨床倫理コンサルテーションでの具体的な対応について考察していく.まず臨床倫理に関する過去の文献を振り返り,臨床倫理の具体的な作業について考察をし,その本質は価値の比較考量と選択であることを明らかにし,その手順を4段階に整理した.次に,臨床倫理コンサルテーションの手順を確認し,当事者への応答について考察を行い,自験例から典型的な臨床倫理的問題への確認事項の返答と価値判断を伴う返答における具体例を示し,円滑に活動できるための手順の提案を行った.これらにより,臨床倫理支援が病院機能として医療安全対策や感染防止対策と同じ様に,恒常的に機能するための一助となることを期待する. |
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| ISSN: | 0022-8400 2185-3851 |
| DOI: | 10.5361/jkmu.72.1 |