気管支囊胞切除後に発作性上室性頻拍が消失した1例

症例は67歳,男性.発作性上室性頻拍(PSVT)に対しカテーテルアブレーションを予定されていたが,縦隔囊胞を指摘され当科に紹介.囊胞は44 mm大で気管分岐下左側にあり,左房・左上肺静脈を圧迫していた.手術所見では囊胞は腫瘍成分を認めず良性と思われたが,食道,左房,左上肺静脈との間には高度な癒着を認めた.癒着を剥離せずに囊胞壁を一部残して切除し,粘膜を焼灼した.組織学的には円柱上皮と軟骨組織を認め,気管支囊胞と考えられた.術後に不整脈は消失した.不整脈を伴う気管支囊胞はまれであり,国内外の報告11例の検討を加えて報告する....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 6; pp. 693 - 698
Main Authors 野田, 大樹, 杉尾, 賢二, 阿南, 健太郎, 小副川, 敦, 安部, 美幸, 宮脇, 美千代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2021
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.35.693

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Summary:症例は67歳,男性.発作性上室性頻拍(PSVT)に対しカテーテルアブレーションを予定されていたが,縦隔囊胞を指摘され当科に紹介.囊胞は44 mm大で気管分岐下左側にあり,左房・左上肺静脈を圧迫していた.手術所見では囊胞は腫瘍成分を認めず良性と思われたが,食道,左房,左上肺静脈との間には高度な癒着を認めた.癒着を剥離せずに囊胞壁を一部残して切除し,粘膜を焼灼した.組織学的には円柱上皮と軟骨組織を認め,気管支囊胞と考えられた.術後に不整脈は消失した.不整脈を伴う気管支囊胞はまれであり,国内外の報告11例の検討を加えて報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.35.693