体幹部への印加圧力に対する触知覚の測定

1. 緒言 腰痛は, 人体の骨格系において頻繁に発症する機能障害である. 厚生労働省が実施した国民生活基礎調査の結果より, 腰痛症が通院原因の上位に位置し, その割合も3年間で約5%増加している[1]. 今後, 腰痛症の増加傾向は続き, 腰痛症に悩む人が多数存在するようになると考えられる. この腰痛症は悪化すると歩行障害が現れ, 休職を余儀なくされるなど日常生活活動(ADL:Activities of Daily Living)に大きな影響を及ぼす. 日常生活活動において様々な姿勢をとったり一定の姿勢を長時間とり続けることで, 身体を支えている脊柱のS字カーブが崩れる. 脊柱のS字カーブが崩れ...

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Bibliographic Details
Published in感性工学研究論文集 Vol. 7; no. 4; pp. 815 - 820
Main Authors 金井, 博幸, 西松, 豊典, 辻, 創
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本感性工学会 2008
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ISSN1346-1958
1884-524X
DOI10.5057/jjske2001.7.815

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Summary:1. 緒言 腰痛は, 人体の骨格系において頻繁に発症する機能障害である. 厚生労働省が実施した国民生活基礎調査の結果より, 腰痛症が通院原因の上位に位置し, その割合も3年間で約5%増加している[1]. 今後, 腰痛症の増加傾向は続き, 腰痛症に悩む人が多数存在するようになると考えられる. この腰痛症は悪化すると歩行障害が現れ, 休職を余儀なくされるなど日常生活活動(ADL:Activities of Daily Living)に大きな影響を及ぼす. 日常生活活動において様々な姿勢をとったり一定の姿勢を長時間とり続けることで, 身体を支えている脊柱のS字カーブが崩れる. 脊柱のS字カーブが崩れると, (1)姿勢維持をサポートしている脊柱周辺の筋群に緊張が生じ, 疲労物質が蓄積される, (2)筋の疲労物質の蓄積により血行障害が起こり炎症や凝りが発生する, (3)血行障害により更に疲労物質が蓄積される, (4)炎症や凝りの症状が悪化し痛みを感じるようになる, という悪循環により腰痛症が発症すると考えられている.
ISSN:1346-1958
1884-524X
DOI:10.5057/jjske2001.7.815